
ないというのが、新しい解決方法の柱になってもいいのではないかと感じ、大変同感の気持ちをもって拝聴しました。 ありがとうございました。 黒田俊夫:リソースパーソン(日本) 農業と経済の専門家がここにおられます。私は人口だけしか、よく知らないわけですが、入口の面でもう少しお聞きいただきたいのです。先程申し上げましたような世界の人口の増加を考えますと、私は、これから30年が勝負のしどころと申しました。この人口増加がなかったならば、今、ここで協議している農業問題はほとんど出てこなかったであろうと思いますし、出てきてもだいたい半世紀後になったと思います。その人口の重要性を是非忘れないでいてほしいと思います。 もう1つパキスタンの方、他の日本の先生方からも出ましたが、この食料と人口の問題はグローバルな問題だということです。それぞれの特徴に応じて努力していかなければなりません。しかし、必ず一部の国では、おらそく日本も入るのではないかと思いますが、人間の生活に絶対に必要な量を賄うことが自国の食料生産能力では追いつかない国が出てくると思います。そうなりますと、各国の努力ももちろん重要になってきますが、これはグローバルなシステムで対応を考えていかなければならない問題になると思います。 人口の増加予測は、農業生産の可能性よりも、もっと確実性のある数字です。その点は、肝に銘じて考えていかなければならないと思います。その意味で、最後に一言だけ先生方に人口に対するご配慮をお願いしたいと思います。 それからもう1つ、今までこの人口と開発に関するアジア国会議員代表者会議で女性の問題を討議してきました。これから人口と食料問題を考えていくのですが、農業を考える場合、アジアでは、農業労働者はほとんど女性ではないでしょうか。したがって、アジアの農業問題は女性問題と不可分な関係のある問題ですから、そういう意味では、決して別々の問題を討議したのではなかったのではないかと思います。 このようなことも十分ご理解いただけるのではないかと思います。 ありがとうございました。 シフ・カレー(司会) どうもありがとうございました。 たいへん刺激的なお話でした。食料の分野に関しても、いろいろな動きが国連の機関でも行われ、国家元首の間でもいろいろな動きが出ています。たとえば、ASEANの会合、SARCの会合などの場でこの食料安全保障について討議されています。 今年は、特に世界食料サミットに向けて、さらなる話し合いが行われると思います。
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